現在の指宿港海岸の護岸（防波堤）は、昭和26年10月に南九州に直撃し、甚大な被害をもたらしたルース台風の災害復旧工事として、昭和28年から31年頃にかけて築造されたものです。

　護岸自体は老朽化が進み、亀裂が生じていたりして海側への倒壊が懸念されているほか、昔、浜競馬などで賑わっていた砂浜は、温暖化や都市化の進展などにより侵食され、護岸の基礎を波が洗う状況に至っています。

また、世界でも類を見ない「天然砂むし温泉」ができる場所として、産業や観光の拠点として指宿に無くてはならない場所でもあります。

昭和30年頃の砂むし温泉の風景写真。現在より砂浜が広ろがっていたことが見て取れます。

当時行われていた浜競馬の写真。広い砂浜を活かした行事が行われていました。

台風時の越波の様子。砂浜減少により、波が打ち上げられ、3階建の住居の窓まで届き、沿岸の住民に被害を与えています。

現在の護岸はずれやひび割れも発生しており、大きな台風で被害が出る恐れが高くなっています。